「3Dプリンタやレーザー加工機などを用いた、これからのものづくりの実例」と題した講演会での資料を使って、WoobyStudioをご紹介しています。今日は、中編、ということで。

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3Dプリンタの紹介です。昨今の3Dプリンタブームは、この、「熱溶解積層方式3Dプリンタ」から始まりました。文字通り、フィラメントと呼ばれる、樹脂材料を熱によって溶かし、細いノズルからすこしずつ出していき、造形していくものです。現在、数万円から十数万円程度で入手できる3Dプリンタはすべてこの方式です。実は3Dプリンタを実際に使ってみると、はじめのうちはトラブルが多くて、なかなか思うように造形できませんでした。トラブルの多くは、ヘッド付近に集中していて、ノズルの目詰まりであったり、フィラメントが途中で切れてしまったり、ヒーターまでうまく通らず、つかえてしまったりと、習熟が必要でした。最新の機種では、このあたりが改善されているようです。

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この方式の特徴は、まず、構造が単純なため、低価格であることです。また、小型、軽量なものが多く、自宅の机の上で作業することが可能です。しかし、後でご紹介する、昔からある工業用の方式に比べて、その仕上がり等は、まだまだ今後の進歩を期待したいと思います。熱溶解積層方式は、仕上がりが「荒い」ものが多く、後処理が必要になります。資料にあるような、工具を使って、キレイに仕上げていきます。また、造形に要する時間も、問題です。簡単なものでも、1時間~数時間、ちょっと大きいものは、丸一日かかることもあります。

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他の方式としては、光造形と呼ばれる、液状の材料にレーザーや紫外線を当て、硬化させるものや、粉末状の材料にレーザーを照射して造形していくタイプもあります。これらの方式は、以前から、試作工場などで使用されてきました。通常、数百万円~数千万規模のものが多いようです。仕上がりは、熱溶解積層方式に比べて、格段の差があります。

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熱溶解積層方式は、現在でも、多くの機種が開発、販売されています。初期のものに比べ、ノズルのつまりが少なくなったり、仕上がり精度が向上してきているようです。いままでは、海外の製品がほとんどでしたが、日本のメーカーが本腰を入れれば、きっと、さらに性能向上していくものと思います。

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3Dプリンタを使って造形する手順です。基本的な流れは、ます、設計、です。3次元モデリングなどと呼ばれたりすることもあります。パソコン上で、自分の作りたいものを数値としてモデル化する作業です。一昔前でしたら、このような作業を行うソフトウエアは数百万円レベルだったのですが、現在では、基本的なモデリングはフリーソフトウエアで十分可能です。3Dプリンタで造形するための3次元データは、通常、「STLファイル」という形式で作成されます。ほとんどの3Dプリンタは、このSTLファイルで造形可能になっています。

STLファイルというのは、立体的な図形を、3角形(面)に分割して、その座標値(3点)と、面の向きを表す法線ベクトルをセットにしたデータ形式です。この3角形の貼り合わせで、立体的な図形を再現します。法線ベクトルの向きで、表裏が判断でき、これを利用した陰面処理は昔からよく使用されています。

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モデリングのソフトウエアの例です。これらは、Googl先生にちょいとお訊ねすれば、多くのフリーソフトウエアがヒットするはずです。一般論ではありますが、寸法を正確に記述したCADソフトとしての3次元モデリングソフトはいまだに高価ですが、感覚的に設計するものはほとんどフリーで使用できるようです。始めは戸にょうなフリーソフトで慣れるのが良いと思います。

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これは、「Blender」と呼ばれるモデリングソフトウエアで、「うーぼくん」を設計しているところ。「うーぼくん」は、立つのが難しいのです!

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モデリングソフトウエアで設計したSTL形式のデータは、機種ごとに異なる、3Dプリンタの専用フォーマットに変換します。この変換ソフトウエアは、3Dプリンタ独自のものであることが多く、通常、本体に付属しています。このとき、サポート等のデータも作成されます。実際は、「Gコード」と呼ばれる、機械制御用のデータ形式で、CNC装置等も同様のデータです。このデータを3Dプリンタにセットします。これは、USBメモリやSDカード経由でセットする機種や、パソコンとUSBケーブルで接続するタイプ等があります。ここから、完成するまで、長~い時間がかかるのです(笑)。

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モデリングソフトウエアで設計する方法のほかに、実際のものを「3Dスキャナ」と呼ばれる機器でスキャンして、データを作成してしまう方法もあります。ここでは、”Sense”と商品名の3Dスキャナを紹介しています。このスキャナで、対象物の周りをぐるっと360度スキャンすると、接続されたパソコンで、3次元の物体を再構成してくれます。こういう高機能な周辺機器も、現在では数万円程度で入手できるようになりました。

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この資料は、イスに座った女性を3Dスキャナでスキャンしてデータを作成し、実際に加工したものです。余談ですが、この女性をスキャンするとき、女性をイスに座らせて、その周りをぐるっと回ったのですが、場所が狭いとなかなか周囲を回ることができませんでした。そこで、後日、開発した「画期的スキャン方法」は、スキャナはカメラの3脚に固定して、回転いすに女性を座らせて、そのイスをぐるっと回す方法でした。

#「あったりまえじゃんか~」という声も聞こえてきますが・・・。

3Dプリンタ、特に、安価な熱溶解積層方式は今後、さらに改良されていくことでしょう。楽しみです。3Dプリンタが実際に動くところをご覧になりたい方は、WoobyStudioへ!

お待ちしております。

明日は、レーザー加工機、CNCフライスマシン等をご紹介させていただきます。