テレビのニュース番組などで、「専門家」の意見を聞く場面が良くあります。ニュースキャスターが、「今回の件について、専門家の方に伺いました」と、一人あるいは複数の専門家の方に技術的、学術的見地から意見を聞くパターンです。専門家は、多くの場合、技術的、学術的な事実や、推測を述べますが、結論を言ったり、断定することは少ないようです。

それらの話を聞いたニュースキャスターが、自分の意見を述べ、判断したり、断定したりすることが多いようです。研究者、技術者は、証明された決定的な証拠でもないかぎり、断定したり、決めつけたりはしないのですね。ときどき、ニュースキャスターがまとめた意見などを聞いていると、「おいおい、そうは言ってないだろうが!」なんて思うことがあります。あるときは、なんとなく世間受けするような結論を出したり、またある時は、科学的に正しくないような結論を出していることもあります。

研究者、技術者は、証明された事実が無い限り、結論を出さない(出せない)種族(笑)なんです。1%でも、不安なことがあると、「・・の可能性が高いですが、断定はできません」と。極めて謙虚なんです。ま、それはその通りなんですが、どう考えても、事実であるような場合は、「・・です」と言い切ってしまうことも時には必要な気がしています。非技術者、非研究者の人に間違った解釈をされてしまう恐れがあるような場合、専門家として、「明確」に意見や考えを伝えるべきではないかと思っています。

企業においても、多くの場合、意見や事実を言う人は技術者、決める人は非技術者の構図が多いのではないでしょうか。不確定要素がある事象に対して、断定しない姿勢は正しいとは思いますが、正確さを期するあまり、最終的に結論をだす作業を放棄してしまうようなことが多いのではないかと感じています。たとえば、営業のエライ人が技術者に対して、「・・は製品化をすすめてよいか?」と聞くと、担当技術者は、「えっと、よいと思いますが、・・・こんな不安もあります・・・欠点は・・ぐずぐず・・・」。営業のエライ人、「じゃ、止めた」。せっかく苦労してきた、技術開発が最後の段階でおじゃん。ってのは悲しいですね。

技術者といえども、ある程度の「思い切り」は必要なのではないでしょうか。未確定や不安要素を想定できるのであれば、それが発生したときの現実的な対応も用意しておけば良いのです。

NHKの朝ドラ(「マッサン」)の鴨井の大将の口癖、「やってみなはれ!」はなかなか良い響きです。