って、いったい何のことか訳わかめ、ですが、ここでは「視野」という意味で書いてみました。ソフトウエアの世界では、各種変数などが参照される(有効な)、プログラムの範囲を示す際に使用されることがありますが、ハードウエア設計時においても、同様の視点が必要ということです。要は、たとえば、製品の回路設計時に、そのデバッグや後工程、システム全体のアーキテクチャをどこまで考慮するか、ということです。

始めは、試作品の設計から入ることが多いと思いますが、このとき、その後、製品となるまでの行程をいかに予測した設計ができるかは、その後の開発効率や、品質にもかかわってきます。設計者は、自分がやらなけらばならない、デバッグのためのテストポイントであったり、C,R等の詳細な定数を実験によって決めるための仕組みであったり、万が一期待通りの動作ができなかった場合に備えての復旧対策を、試作品設計時に盛り込んだりします。

さらに、システム(筐体)に組み込まれた際の、ケーブル類の引き回し、コネクタの位置、等も考慮する必要があるでしょう。「試作だから、とりあえず、基本機能が動けば良い」ということで、これらの後工程を無視した設計をしてしまうと、後になって、また「逆戻り」という場合もあります。廃止部品を使っていないか、RoSHは大丈夫か、部品取り付けの方法は大丈夫か、基板製造時のマウンターへの装着は問題ないか、コストバランスは製品全体を見て問題ないか、等等、これらがどれくらい考慮された設計ができるかは、回路設計技術としての腕の見せ所でしょう。

こういった、「スコープ」は、教科書だけの勉強ではなかなか身につかず、やはり、長い年月をかけた、実践で身についてくるものでしょう。先輩から後輩へ指導する際も、こういった、広い「スコープ」を持った設計が重要となってきます。最近では、このような「泥臭い」設計技術というものが失われつつあると感じています。全体(最終製品)を見通す「スコープ」をもって設計にあたるのは、細分化された業務分担のなかではなかなか難しいのですが、自分の担当範囲外のことにも広く目を向け、学習していくという態度が、「超一流技術者」への道だと思っています。結果的に、それが、良質の製品になり、利益を生み出してくることでしょう。

「スコープ」は、「気配り」、です。