これも前職でのことなのですが、「時間」を測る測定器の開発を行っていたことがありました。「時間」と言っても、とっても短い時間を高精度に測る装置です。どのくらい短いかというと、分解能が約1[ps](ピコ・セカンド)。10のマイナス12乗秒の時間です。1[ps]という時間はなかなか想像できないかもしれませんが、光の速度は真空中で約30万km/秒、毎秒3億メートルですが、電線等の中では、その約2/3になります。1[ps]の間に、電気は電線の中を約0.2mm程度しか進みません。それくらいの短い時間なのです。

普通の生活をしていると、そんな「細かい時間」は気にすることもないし、意識することさえないのですが、実は、スーパーコンピュータや高速な通信の世界では、この光の速度が「遅ーい!」のです。最近の集積回路(IC)はとてつもなく小さく作ってあり、全回路が1mm以下だったり、ミクロン(1000分の一ミリ)単位で作られています。こういう小さな回路の中で、光や電気の速度は遅すぎるのです。

スーパーコンピュータ等は、膨大な数のコンピュータを接続して、並列的に計算速度を上げています。そう、「みんなで渡れば怖くない!」方式なんです(ちょっと、違うか・・)。ま、とにかく、たくさんのコンピュータを接続するときにそれぞれのタイミングをうまく合わせること(同期、といいます)が非常に大変な作業なんです。大規模なシステムを開発する技術者はこういったタイミングを合わせることに大きなエネルギーを費やしているのです。

そんな微小な時間を測定するための電子計測器を開発していた、というわけです。ホントは、「一日以下の単位の時間は考え無くて良い」生活がしたいとは思っているのですが・・。

いつも、貧乏ヒマなし、状態なのです。