電子計測器のハナシです。わたしが、この世界で仕事を始めたころ、世界をリードする電子測定器メーカは、ヒューレットパッカードやテクトロ二クス等でした。両社とも、現在も世界をリードし続けてはいますが、社名が分かったり、分社したり事業内容が変わったりしています。

 

当時、ヒューレットパッカード(HP)製の電子測定器を使用する機会が多かったのですが、各社とも、すでに製造を終了しているものが、現在は中古市場に出てきています。私が起業するときも、このような中古電子計測器を集めました。中古だから、価格が安い、ということもあったのですが、それだけではなく、とにかく、性能が素晴らしいのです。経年変化があるので、当然、校正や再調整、ものによっては修理が必要になったりはするのですが、その基本性能はいまでもトップクラスのものがたくさんあります。当時、数百万円したものが、十万円以下で入手できたりもします。

 

当時の作りは、とにかく、重い、デカイ、でした。モノによっては、「Two Persons Lift!」(2人で運べ!)と明示してあるものもあります。電源も今風のスイッチング電源ではなく、大きなトランスを用いたシリーズレギュレータ構成になっていたりします。操作部や通信部以外はアナログ回路構成になっているため、微小信号にありがちなスイッチングノイズも見られません。HPのシンセサイザや、パルスジェネレータ等は今も私のお気に入りなんです。

 

テクトロ二クスの1GHz帯域のアナログオシロスコープ、7104というのがありました。当時としては珍しかった、1GHのリアルタイムオシロスコープです。この入力部の回路構成や、部品実装などはたくさん勉強させてもらった記憶があります。入力部は、「ハンダ職人」の手作りだ、というのも聞いたことがあります。プリント基板を使用せず、空中配線による半田でした。この機種も、いまは中古品が数万円で手に入るのですが・・なにしろ大きいので置いておく場所がない・・・というわけです。実用的には、もっと小型で安いディジタルオシロスコープがたくさんありますし・・。

 

何十年たっても愛される製品づくり、目指していきたいです。