シンチレータによる放射線測定の続きです。シンチレータでの微弱な発光を、光電子増倍管等で増幅し、そこから出力される電荷量が放射線のエネルギーに比例するこことを利用して、核種(どのような放射性物質によるガンマ線か)を同定します。横軸にエネルギー量、縦軸に度数分布を描画した、放射線スペクトル(図)を作成します。これによって、どのような放射性物質がどれくらい存在するかを調べます。福島原発事故による影響については、影響を与えている放射性物質がわかっており、その分布の形も分かっています。

 

上記は、電気の世界における、スペクトラムアナライザと同様の表現方法です。スペクトラムアナライザでは、横軸が周波数、縦軸がその周波数に対応する電力で表現することが多いです。これは、対象とする信号にどの周波数成分がどのくらい含まれているかを調べるときに使用されます。

 

話を放射線にもどしますが、このようなスペクトルを得るために使用されるのが、MCA(Multi Channel Analyzer)と呼ばれる分析器です。ここでいう、「マルチチャネル」、ですが、所謂、「16チャネルADC」みたいな、入力チャネル数のことを指すのではなく、「分解能」を示す数値として使用されています。つまり、「1024kチャネル マルチチャネル アナライザ」というと、横軸(エネルギー)の分解能が1024段階まで測定できる、という意味になります。このあたりは、電子技術者には混同しやすいところです。

 

MCAから得られるデータは、「毎秒(毎分)あたり、どの核種からどのくらいの数の放射線が放出された」という情報になります。厳密には、その測定器(シンチレータ)に飛び込んだものだけのカウントになりますが、いろいろな補正や類推を行って、総数を見積ます。この値は直接的には、「Bq(ベクレル)」という単位であらわされます。これから、よく聞かれる「Sv(シーベルト)」という、人体へのの影響を示す数値に変換されます。

 

放射線測定の精度・・・神のみぞ知る、です。