長年、電子計測の開発設計を仕事としてきました。現在も、WOODBOX INC. の主業務は電子計測器の開発です。電子計測機に限らず、こういった、産業の道具となるようなものは「マザーツール」というのだそうです。学校を卒業して就職したとき、先輩からそんなことを教わりました。「なんか、かっこいいなあと」いう感想を持ったのを覚えています。

計測器以外にも、工場等でものすごい速さで製品を組み立てたり、検査したり、梱包したりする機械もマザーツールなのでしょう。

 

マザーツールとしての電子計測器の話しに戻ります。電子計測器の特性として重要なのが、「精度」とか「確度」と言ったものでしょう。ここでこれらの言葉の意味は割愛しますが、要するに、「正さ」ですね。計測器というのは、「基準器との比較をする装置」ですので、それがどのくらい正しく比較できているか、がマザーツールとしての電子計測器を特徴づけるものになるわけです。

 

一般的に、「0.1%」(コンマ1パーセント)が一つの目安になっている気がします。もちろん、いろいろな計測対象があり、計測器もありますので、一概には言えないのですが、0.1%つまり、1000分の一以下の誤差は担保されていなければならないような気がします。このあたりが民生品との大きな違いでしょうか。各メーカーの電子計測器の仕様で「0.02%」とか、「0.03%」とかうたっている製品があります。この0.01%のために、技術者は日々、悪戦苦闘しているのです。

 

「たかが0.1%、されど、0.1%」なのです。

 

最近の計測器では、高度なディジタル処理を行って、さらに高精度なものもたくさんあります。多くは、「平均化」等の統計的な手法を用いて精度を向上させている場合が多いようです。昔の計測器は純粋にハードウエアで構成されていることが多かったため、なかなかこういった統計的手法は使えませんでした。その代り、高度なアナログ回路技術が開発されてきました。

 

今後は、高度なアナログ技術と、洗練されたコンピュータ技術によって、さらに高精度なものができる・・・・かな・・・?。