あるお客様に、「抵抗って、電気を通りにくくするものですよね。なぜ、わざわざ、そんな部品使うんですか?」と質問されたことがあります。「なるほど、電気って、わざわざ通りにくくするなんて、愚の骨頂だ!」、とはお答えしなかったのですが、電子工作初心者の方にとってみると、確かに、疑問でしょう。ざっと考えて、電気は「良く通る」ようにする方が、よさそうな気がします。

なかなか、お答えしにくい質問なのですが、たとえば、「電流を電圧に変換するためです」とか、「電子部品が故障しないように、保護するためです」とか、そんな答えになってしまいます。「電流を電圧に変換」というと、では、「電流」と「電圧」って、どういうこと?と質問はさらにエスカレートしてきます。ここで、良くあるたとえで、「高いところにあるバケツの水を、低いところにあるバケツにホースを使って移すとき、二つのバケツの高さの「差」が「電圧」で、ホースの中を通る水の量が「電流」です。」みたいな説明をしたりします。で、このあと、「じゃ、抵抗って何?」、「で、電流を電圧に変換する」ってどういうこと?となるわけですが、こういった基本的な質問はなかなか回答が難しいものです。

回路設計になれた方には、「電圧駆動素子」だとか、「電流駆動素子」なんて「専門用語」を使って説明できますが、基礎をご存じない方ににこういった基本的な質問にお答えするには、さらに、基本的な説明から入り、結局、「???」ってなってしまうことが良くあります。もっとも、電圧駆動だとか電流駆動をご存じの方から、「抵抗って何」という質問はでてくることはありませんが。簡単な言葉、用語をさらに簡単な言葉で説明することは意外に難しいようです。まだまだ、修行不足だと感じます。

いつも使い慣れている専門用語を、それをご存じない方に、自分の言葉で説明できることは、「その道のプロ」の条件なのかもしれません。高度な知識や研究成果をお持ちの学者さんの言葉や、長年修行を積んだ優れた職人さんたちは、たしかに、わたしのような素人にも「良くわかる言葉」で説明し、かつ、納得させてくれます。そうでない人の説明は、やはり、何度聞いてもよくわからなかったりします。

何事も、自分の言葉で、人に説明できるよう、常日頃の学習が必要ですね。自戒。