前職のころ、3次元コンピュータグラフィックスについて研究開発をしていたことがありました。そのころはまだ、パソコンも登場していなかった時代で、インテルの16ビットマイクロプロセッサi8086がようやく登場してきたころでした。CPUのクロックも5MHzとか、せいぜい20MHzとか、現在のGHzなんて想像もできない時代でした。

 

コンピュータグラフィックスの歴史のなかで有名な、アイバン・サザーランドという先生の発明したSketchpadというシステムを勉強したり、専用のハードウエアプロセッサを設計したり、これは私の中でも若く(笑)、楽しいエンジニア経験の一つになっています。

中学生だったか、高校生だったかで勉強した(はずの)行列演算、線形変換、アフィン変換などを必死になって(再)勉強していました。64kビット(!)のDRAMがやっと市場に出てきたころでもありました。物体の表面を本物らしく見せるための、理科年表を見て、物質ごとの反射率の波長依存性なんかを調べたりしていました。

 

たしか、NHKの番組「ニュースセンター9時」(だったかな?)のタイトルに、3D-CGが使われ、話題になったのを覚えています。米国のスーパーコンピュータを使用して膨大な費用をかけて製作したとか。そんな記事を貪るように読んでいました。いまの技術を使えば、数万円のパソコンで、フリーウエアのソフトウエアでできてしまうレンダリングだったように思いますが、当時としては画期的だったのです。

 

いまでも、3次元の座標変換やレンダリングは自前のソフトウエアを書くことが多いです。座標変換は基本的に、3X3または4X4(同次座標系)のマトリクス演算ですべて行えるので、汎用の関数化が可能です。あとは、美しく表現するためのレンダリング技術です。これも、高性能(高速、大容量メモリ+グラボ)のパソコンにとってはそれほど負担はかかりません。

 

先日、NHKで、3D-CGのディズニー映画の製作過程を特集していました。その番組を見ていて、少し昔のことを思い出してしまいました。